普段私たちが口にする食品や、衣服、生活を便利にする家電製品など、さまざまなモノが海外から輸入されています。
賃金の安い発展途上国などの海外で生産される製品や食品は人件費などの違いから、国産品より安く生産することが可能です。
しかし、その海外の値段で販売をしてしまうと、国産品との値段の違いから、国産品が売れなくなる可能性があり、国内産業を守るためにも輸入品には「関税」がかかります。
メディアでも話題になることが多い「TPP(環太平洋経済連携協定)」は、国境を越えて、モノや人、サービスが自由に行き来する自由貿易のことを指します。
日本でも賛否両論があり参加を決めましたが、自由貿易にされる品目やサービスなどはまだ決定されていません。
海外からモノを輸入するときや、モノを輸出する時は税関で手続きをしなければいけませんが、専門の知識が必要となり、主に通関業者が手続きを代行しています。
通関手続きを行うには、通関士試験に合格し、通関業者に通関士として登録されることで、通関士として活躍できます。
この記事では、
- 通関士の業務内容
- 通関士の試験概要
- 通関士になるメリット
などについて記事にしました。
この記事を読むことで国家資格の通関士について知ることができるので、ぜひ最後までお読みください。
通関士の業務内容
通関士として活躍するには、通関業者に通関士として、登録されなければなりません。
通関士は企業などから依頼を受けて、通関手続きを代行します。
通関の手続きとは、貨物の品名や量、種類などの申告し、必要な検査を受けます。関税などを支払い、輸出入の許可を受けることをいいます。
他にも書類の作成代行や、計算書類の審査などを行います。
通関士試験の概要
通関士試験は貿易業界の資格では唯一の国家資格です。
通関士試験は年に1回、10月の上旬に行われています。
試験実施地は北海道・新潟県・東京都・宮城県・神奈川県・静岡県・愛知県・大阪府・兵庫県・広島県・福岡県・熊本県・沖縄県で実施されます。
合格発表は11月下旬から、12月上旬に行われます。
受験資格は年齢・学歴関係なくだれでも受験が可能です。
通関士試験の試験科目
通関士試験の試験科目は3科目あり、下記をご覧ください。
- 通関書類の作成要領や、その他の通関手続きの実務
- 通関業法
- 関税法、関税定率法、その他関税に関する法律、および外国為替、外国貿易法
となります。
通関や関税に関する法律など、通関業務に必要となる専門知識を問われます。
通関士試験の試験科目一部免除
通関業者の通関業務、または官庁における関税や、その他通関に関する事務に従事した期間が通算して15年以上になる受験者は、3科目あるうちの上記試験科目の、1と3の2科目が免除されます。
他にも、通関業者の通関業務、または官庁における通関事務に従事した期間が通算して5年以上になる受験者は、上記の試験科目、1が免除されます。
通関士試験は通関業務に従事した期間によって試験科目一部免除があるので、通関業者に勤めてから受験をする受験者も多数います。
通関士試験の勉強法
通関士試験の学習時間は350時間程度が目安となっていますが人により異なります。
試験も記述式や論述式ではなくマークシート方式なので、独学でも合格を狙えますが、モチベーションの維持やテキスト選びが重要となります。
貿易業界でお勤めのの方などは、専門用語など日頃から使っているので、理解はしやすいですが、知識ゼロから始めるには独学では覚えることが多く苦戦する方が多数います。
通信講座ならお金はかかりますが、テキスト選びや試験対策も充実しているので、オススメです。
仕事をしながらの資格取得は、1日の学習時間もあまり取れないので、効率よく学習することが重要となります。
通信講座大手ユーキャンの通関士講座では、スキマ時間でも学習できる動画解説もあり、オススメです。
他にもわかりやすいテキストや、メールで講師に質問ができたりとモチベーションの維持にもつながります。
通関士になるメリット
通関士の資格は通関業者で働きたい方や、国際貿易を取り扱いのある企業では、面接時や転職時にアピールポイントとなります。
日本の食品自給率は37%と低く、海外からの輸入食品に依存をしています。
食品だけではなく、家電製品や衣服なども輸入されていることから、今後も通関士の需要は見込まれます。
通関士として実務経験を積めば、即戦力として多くの企業で必要とされます。
メリットをまとめると、
- 就職・転職に強い
- 今後も需要が見込まれている
などです。
通関士試験に挑戦しよう
通関士は、貿易関係の資格では唯一の国家資格です。
日本は超高齢化社会に突入し、労働人口も減少傾向にあり、今後国内で生産できる製品量も減少することが考えられます。
日本の生産量で足りないモノは、海外からの輸入に頼らざるを得ません。
モノを輸入するときは必ず、税関を通す必要があり、通関士の需要は増加することが見込まれます。
通関士に興味がある方や、貿易関係の仕事に就きたい方はぜひ、通関士を目指してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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