外国人観光客に日本の魅力を伝える全国通訳案内士とは?試験概要や合格率などを解説!

国家資格

訪日外国人の数は年々上昇していて、2018年には3,000万人は超える外国人の方が日本を訪れています。

2020年には東京オリンピックが控えており、さらに訪日外国人の数が増えることが予想されます。

全国通訳案内士は、外国人観光客に日本の名所などを外国語で案内し、日本の歴史や文化を伝える仕事です。

スポンサーリンク

全国通訳案内士とは

全国通訳案内士とは独立行政法人国際観光振興機構(通称:日本政府観光局(JNTO))が試験事務を行っている国家資格です。

法改正により独占業務では無くなり、名称独占となります。

外国人観光客に付き添い外国語で観光案内し、日本の歴史や文化を外国語で伝えるため、語学力はもちろん地理や歴史の知識も求められます。

全国通訳案内士の試験内容

全国通訳案内士試験は年に一度行われており、一次試験の筆記試験と二次試験の口述試験で行われます。

一次試験の筆記試験では外国語、日本地理、日本歴史、産業、経済、政治、文化に関する一般常識、通訳案内の実務が問われます。

二次試験の口述試験では、通訳案内の実務についての口述試験となります。

全国通訳案内士試験の対象言語は、英語、フランス語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10言語から選びます。

受験資格はなく、どなたでも受験が可能です。

全国通訳案内士筆記試験の一部免除

全国通訳案内士の筆記試験は、条件を満たすと試験の一部免除が受けれます。

筆記試験は下記の項目で行われます。

  • 外国語筆記試験
  • 日本地理筆記試験
  • 日本歴史筆記試験
  • 一般常識筆記試験
  • 通訳案内の実務筆記試験

実用英語検定(英検)1級合格者は外国語筆記試験の免除を受けれたり、歴史能力検定日本史1級、2級合格者は、日本歴史筆記試験が免除になったりと、さまざまあります。

詳しくは、日本政府観光局(JNTO)の全国通訳案内士ガイドラインをご覧ください。

全国通訳案内士試験の合格ライン

全国通訳案内士試験の筆記試験では各項目ごとに合格基準が定められています。

下記表にまとめました。

試験項目試験
時間
試験
方式
合格
基準
外国語筆記試験120分記述式
(言語によって異なる)
100点満点中
70点
日本地理筆記試験40分多肢選択式
(マークシート方式)
100点満点中
70点
日本歴史筆記試験40分多肢選択式
(マークシート方式)
100点満点中
70点
一般常識筆記試験20分多肢選択式
(マークシート方式)
50点満点中
30点
通訳案内の実務
筆記試験
20分多肢選択式
(マークシート方式)
50点満点中
30点

実際の平均点によっては合格基準点が多少調整される場合もあります。

二次試験の口述試験は、試験時間は10分程度で、提示されるテーマから外国語での説明、試験委員と外国語で質疑応答を行います。

合格基準点は設定された評価基準の原則7割となっています。

全国通訳案内士試験の合格率

平成30年度に行われた全国通訳案内士試験の言語別合格率は下記表をご覧ください。

言語一次試験
受験者数
一次試験
合格率
二次試験
受験者数
二次試験
合格率
英語5,754人25.2%1,355人43.1%
フランス語284人21.2%68人48.5%
スペイン語193人16.8%32人71.9%
ドイツ語75人10.7%8人62.5%
中国語776人15.5%130人46.9%
イタリア語101人16.8%17人47.1%
ポルトガル語57人10.7%7人71.4%
ロシア語82人17.5%16人25.0%
韓国語300人16.1%49人59.2%
タイ語29人3.6%2人50.0%

参考:日本政府観光局(JNTO)

英語の受験者が圧倒的に多いのが分かります。

合格率はどの言語も低く、難易度の高さが分かります。

全国通訳案内士試験の勉強法

全国通訳案内士試験は試験範囲が非常に膨大です。外国語も高いレベルが求められます。

免除が狙える項目がある方は免除を受けた方が試験対策もしやすくなります。

歴史・地理・一般常識はテキストで学んだり、スタディサプリ等を使って効率よく勉強することをおすすめします。

独学に自信がない方は通信講座やスクールに通って学習することをおすすめします。

全国通訳案内士試験は難易度も高く、試験範囲も広いので、早めに受験対策をするのが得策です。

全国通訳案内士試験に合格後

全国通訳案内士試験に合格後、お住まいの都道府県に届出を行うことで全国通訳案内士として登録されます。

全国通訳案内士はフリーランスで働く方が多い職業です。

資格を取得したからといって、すぐに仕事がくるわけではありません。

全国通訳案内士の団体などの研修を受けて、ガイドの仕事を紹介してもらいながらキャリアを積んでいきましょう。

全国通訳案内士の給料

全国通訳案内士はフリーランスで働く方が多いので、収入は不安定になることが多いです。

訪日観光客が多い時期はガイドの仕事がありますが、観光客が減る時期だと必然的に仕事は減ります。

全国通訳案内士は「日当」になることが多く、1万円から3万円が相場となっています。

しかし、通訳案内士は通訳のプロでもあるので、語学力を生かし塾の講師などと兼業している方も多くいます。

全国通訳案内士資格を取得し、日本の魅力を伝えよう

全国通訳案内士は訪日観光客にガイドを通じて日本の歴史や伝統、文化を伝えることができる職業です。

東京オリンピックの開催も決まり、日本に訪れる観光客は増加傾向にあります。

外国語に自信のある方は日本に訪れる観光客に日本の良さが伝えられる全国通訳案内士資格を取得しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました