速記とは簡略された特殊な符号で、人の発言などを書き記す方法です。
速記は符号で書き記すだけではなく、書き取った符号を解読し、誰でも読める日本語の文章に書き直す作業までを行います。
この書き直す作業を反訳といい、反訳までの作業が速記の一連の作業となります。
最近では音声データで残すことも多く活躍の場は狭くなってはいますが速記の技術を活かし、字幕速記人などで活躍している方もいます。
速記技能検定は速記に興味がある方た速記者になりたい方におすすめの検定です。
速記技能検定とは?
速記技能検定は公益社団法人日本速記協会が実施している民間資格です。
入門者向けの6級から、プロとして活躍可能な1級の6つの級で行われています。
速記士や速記者になるには特に資格などは必要ありませんが、速記の実力を客観的に証明できる検定となります。
速記技能検定の検定級と試験概要
速記技能検定は1級から6級までの検定級があり、レベルは速記技能審査基準に定められています。
検定級と試験概要を下記にまとめました。
検定級 | 朗読速度 | 朗読時間 | 反訳時間 | 合格基準 |
1級 | 分速320字 | 10分間 | 130分 | 正確度98%以上 (許容失点64字) |
2級 | 分速280字 | 10分間 | 130分 | 正確度98%以上 (許容失点56字) |
3級 | 分速240字 | 5分間 | 60分 | 正確度97%以上 (許容失点36字) |
4級 | 分速180字 | 5分間 | 60分 | 正確度97%以上 (許容失点27字) |
5級 | 分速120字 | 5分間 | 60分 | 正確度96%以上 (許容失点24字) |
6級 | 分速80字 | 5分間 | 60分 | 正確度96%以上 (許容失点16字) |
採点基準は誤字・脱字・余分な字・判読不明な字・同音異字などが1字1失点となります。
速記技能検定は速記の技術だけではなく、反訳するために漢字の知識も必要となります。
速記技能検定はパソコンなどの機器による受験も可能ですが事前申請が必要となります。
速記技能検定の試験地と受験料
速記技能検定は年3回、5月・8月・11月の最終日曜日に実施されています。
試験地は実施日によって異なります。
下記をご覧ください。
回 | 実施日 | 実施都市 |
第209回 | 2019年11月24日 | 東京・名古屋・大阪・佐賀・鹿児島 |
第210回 | 2020年5月31日 | 札幌・盛岡・東京・名古屋・大阪・福岡 |
第211回 | 2020年8月30日 | 長岡・東京・名古屋・大阪 |
第212回 | 2020年11月29日 | 東京・名古屋・大阪・佐賀・鹿児島 |
受験料は1級:6,000円、2級:5,000円、3級:4,000円、4級:3,000円、5級:2,500円、6級:2,000円となっています。(2019年10月現在)
速記技能検定の勉強法
速記は速記符号の意味や使い方を覚えなければいけません。
速記符号さえ覚えれば練習はいくらでもできます。テレビニュースやラジオを速記することで、技術はどんどん上がります。
速記を学ぶには通信講座やスクール、関連書籍など豊富にあり、自分に合った勉強法を選ぶことができます。
速記技能検定を取得するメリット
速記技能検定は速記の能力を客観的に証明することができます。
速記は時短にもなりメモをとる時間も短縮されますし、他人からメモを見られても速記符号を解読できる人も少ないので問題ありません。
集中力もつき、国語力も上がります。
メリットをまとめると、
- 速記の能力を客観的に証明できる
- メモを取る時間が短縮される
- 集中力がつく
- 国語力が上がる
などです。
速記者が活躍している仕事
以前、速記者は国会や裁判所などでの活躍の場はありましたが、現在は廃止されています。時代の変化ともに速記者の仕事も変化しています。
速記者が活躍している仕事をいくつか紹介します。
出版社や新聞社
速記者は出版社や新聞社で活躍しています。
インタビューや対談など音声データの文字起こしなどをします。
速記者は発言スピードで速記が行えるため、通常の人が行うより効率的に文字起こしが可能です。年収は400万円程度の方が多いです。
速記事務所
こちらも出版社や新聞社と似たような仕事内容となります。
企業に出張し会議議事録などの録音、文字起こしなども行います。他にも字幕速記などの仕事もあります。
フリーランス
最近は主婦の方などもフリーランスで活躍しています。
音声データの文字起こしなどは在宅でもできる仕事などで人気もあります。他にも速記事務者や、出版社や新聞社とフリーランス契約をして活躍している方も多数います。
速記技能検定に挑戦しよう
速記は国会や裁判所などでも使われていましたが、技術の発展で活躍の場は少なりました。
速記者の働く環境も変わりつつありますが録音速記や、字幕速記など時代に合わせた需要もあります。
速記を学びたい方や、興味がある方速記技能検定にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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