翻訳の仕事といっても、海外の映画やドラマの吹き替えや字幕、契約書の翻訳など多数あります。
その中でも需要の高い翻訳が「産業翻訳」というジャンルです。
産業翻訳とは、一般の企業のビジネスの場で発生する翻訳業務のことを指します。
ビジネス翻訳や、実務翻訳とも呼ばれています。
企業内で活躍している翻訳者や、フリーランスで活躍している翻訳者も多数います。
ほんやく検定は、産業翻訳のレベルが測れる検定試験となっていて、これから翻訳者を目指す方や、すでに翻訳者として活躍している方にもおすすめの検定試験です。
ほんやく検定とは?
ほんやく検定は、一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)が実施をしている民間資格です。
国境を変えて経済的関連が深まる、グローバリゼーションが進む中、産業翻訳の需要は高まっています。
JTFほんやく検定は、産業翻訳者の育成と新たな人材を見つけることを目的にほんやく検定を実施しています。
実践的な翻訳の技能を測る検定なので、自分の翻訳能力を客観的に測ることができる検定試験です。
ほんやく検定の検定級
ほんやく検定の検定級は1級から5級まで、5つの検定級があります。
4級、5級は基礎レベルとなり、1級から3級は実用レベルとなっています。
実用レベルは英日翻訳の日英翻訳2科目あり、各5分野の中から1分野を選択し、翻訳の完成度に応じて1級から3級、もしくは不合格と認定されます。
ほんやく検定の試験概要とレベル構成
ほんやく検定は自宅のパソコンで受験ができるインターネット受験です。
受験資格はなく、だれでも受験することができます。
基礎レベルの出題分野は、一般社会問題や、科学技術問題を課題に出題されます。
5級は英日翻訳3題、4級は英日翻訳2題および日英翻訳1題出題されます。
実用レベルの出題分野は英日翻訳、日英翻訳2科目とも下記の5分野から1分野を選択します。
- 政経・社会
- 科学技術
- 金融・証券
- 医学・薬学
- 情報処理
各級の合格判定基準は下記の通りです。
検定級 | 判定基準 |
5級 | 英文読解能力(文章構造の完全な把握) 日本語表現能力(正しい日本語の記述) |
4級 | 原文読解能力(文脈および背景情報の理解) 英語および日本語の表現能力(母国語に近い英語表現、こなれた日本表現) |
3級 | 内容理解力、表現力などの面で欠点もあるが、時間内での作業、試験という特殊な環境などを考慮すると、実務で通用する翻訳力と認められる |
2級 | 実務上では若干の修正の必要があるが、重大な誤訳なない。完成度では1級に劣るが実務では、十分に通用する翻訳であると認定される |
1級 | 原文の情報が正確で分かりやすく、適切な文体で表現されている。専門家の翻訳者として認定される |
ほんやく検定の試験日と受験料
次回行われるほんやく検定の試験日は、2020年1月25日に予定されています。
申込期間は2019年10月21日から2020年1月14日17:30までとなっています。
ほんやく検定は併願受験も可能で、JTF、NIPTAの会員だと検定料が安くなります。
下記表ご覧ください。
検定級 | JTF・NIPTA会員(税込み) | 非会員(税込み) |
5級 | 4,400円 | 5,500円 |
4級 | 5,280円 | 6,600円 |
5級・4級併願 | 8,800円 | 11,000円 |
実用レベル英日翻訳 | 8,800円 | 11,000円 |
実用レベル日英翻訳 | 8,800円 | 11,000円 |
実用レベル英日/日英翻訳 2科目併願 | 13,200円 | 16,500円 |
ほんやく検定の勉強法
ほんやく検定には英語の習得はもちろん、文章力も必要となります。
ほんやく検定は過去問題・解説集が発売されいるので、受験前の対策に有効です。
JTFが行っている翻訳セミナーのDVDも販売されています。
過去問題・解説集、DVDは日本翻訳連盟公式ホームページから購入が可能です。
ほんやく検定受験のメリット
ほんやく検定は実践に近い内容が問題となるため、翻訳の能力を客観的に証明することができます。
フリーランスの翻訳者として、翻訳会社に登録する際に、トライアルという技能審査があり、ほんやく検定は模擬体験となります。
2級以上に合格するとJTF公式ホームページと日本翻訳ジャーナルという機関誌に自己プロフィールを登録掲載ができます。
JTF加盟の翻訳会社は約200社あり、仕事を獲得する機会を得られます。
メリットをまとめると、
- 翻訳能力を客観的に証明できる
- 翻訳会社に登録する際のトライアルの模擬体験になる
- JTF加盟の翻訳会社から仕事を得やすくなす
などです。
ほんやく検定に挑戦しよう
産業翻訳者は自宅でも仕事ができ、フリーランスとしても活躍できます。
英語の習得は必須で、文章力も必要となり、簡単になれる職業ではありませんが、フリーランスを目指したい方にはおすすめの職業です。
将来翻訳者になりたい方は是非、ほんやく検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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