不動産鑑定士は国家資格であり、不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務です。
不動産鑑定士は国家資格の中でも難易度が高く、司法試験・公認会計士試験と並び、文系3大難関国家資格と言われています。
不動産系の資格では宅建が知名度がありますが、宅建よりも難易度が高く不動産系の資格では最高峰の資格となります。
不動産鑑定士になるには?
不動産鑑定士になるには短答式試験と論文式試験に合格し、実務修習を受ける必要があります。
受験資格はなく年齢・学歴関係なく誰でも受験でます。
短答式試験は不動産に関する行政法規、不動産の鑑定評価に関する理論の2科目からマークシート方式で出題されます。
論文式試験では、民法・会計学・経済学・不動産の鑑定評価に関する理論、不動産鑑定評価の理論から出題されます。
論文問題と演習問題からなる記述式の試験で、3日間連続で、合計12時間の試験となり精神的にも体力的にも、きつい試験となります。
不動産鑑定士試験合格後の実務修習とは
試験合格後には国土交通大臣の登録を受けた実務修習機関で実務修習を受けないと不動産鑑定士の登録を行うことができません。
実務修習とは、不動産鑑定士として必要な技能や高度な専門知識、応用能力を習得するための修習です。
1年・2年・3年とコースがあり、講義・基本演習・実地演習の3つの過程があり、実務修習終了後に小論文と口頭試問の修了考査の判定があり、合格すると不動産鑑定士として登録が可能です。
不動産鑑定士の合格率
不動産鑑定士の受験者数と合格率を下記表にまとめました。
実施年 | 短答式 受験者数 | 合格者率 | 論文式 受験者数 | 合格率 |
2018年 | 1,751人 | 33.4% | 789人 | 14.8% |
2017年 | 1,613人 | 32.5% | 733人 | 14.5% |
2016年 | 1,568人 | 32.6% | 708人 | 14.5% |
2015年 | 1,473人 | 30.6% | 706人 | 14.2% |
2014年 | 1,527人 | 30.2% | 745人 | 11.3% |
となっています。
短答式は合格率30%前後となりますが、論文式は15%未満となり論文式をどう攻略するかが不動産鑑定士試験のポイントとなります。
不動産鑑定士試験の勉強法
不動産鑑定士試験合格に必要な勉強時間の目安は、2,000時間時間から5,000時間と言われてます。
2,000時間を1年365日休みなく勉強すると1日約5.5時間の勉強が必要となります。
社会人の方は、仕事をしながら1日5.5時間の勉強時間を確保するのは難しいことです。
不動産鑑定士試験は論文式の試験もあるので、独学で合格を狙うのはかなり難しいです。
費用はかかりますが、専門学校か通信教育で学ぶ方法をおすすめします。
不動産鑑定士試験合格には長い期間勉強をしなければいけません。
モチベーション維持のためにも受験仲間もできる、専門学校などで勉強するのが合格の近道です。
不動産鑑定士の資格取得を目指す人向けの専門学校や通信教育は多数存在します。
中でもLEC東京リーガルマインドは長い指導歴と実績からおすすめできます。
自分に合った勉強方法で効率よく学習しましょう。
不動産鑑定士の仕事内容
不動産鑑定士の仕事内容は名前の通り不動産の鑑定が主な仕事内容になります。
不動産の鑑定というのは、土地や建物の本来の価値を専門的な知識を基に適切に評価し、値段をつけます。
公的機関からの仕事の需要も多く、地価公示価格や競売物件の評価、相続税課税のための評価などがさまざあります。
民間企業や個人から依頼される業務には、売買の参考にするための評価や、抵当権設定のための評価、不動産の証券化に係る鑑定評価などがあります。
他にも不動産に関する相談業務やコンサルティング、デューデリジェンス(不動産の詳細を調査など)を行ったりもする不動産のスペシャリストです。
不動産鑑定士の年収
不動産鑑定士の平均年収を厚生労働省の職種別賃金額から下記表にまとめました。
年度 | 月額給与 | 年間賞与 その他特別給与額 | 平均年収 |
平成25年 | 368,000円 | 1,001,900円 | 5,417,900円 |
平成26年 | 462,000円 | 1,491,400円 | 7,035,400円 |
平成27年 | 445,800円 | 1,587,900円 | 6,937,500円 |
不動産鑑定士の平均年収は700万円前後となっています。
あくまで平均なので年収1,000万円も狙える資格です。
不動産鑑定士が活躍している業界
不動産鑑定士は不動産業界だけではなく金融系業界でも活躍しています。
資格取得も難しく、受験者も少ないので不動産鑑定士は足りないと言われています。
不動産鑑定士は独占業務があるので、一定の需要が必ずあります。
難しい国家資格ですが、不動産鑑定士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
不動産鑑定士が活躍している業界 ~不動産系企業~
不動産会社の不動産鑑定部門や不動産鑑定企業などで活躍しています。
公的機関や企業、個人などからの依頼を受けて、不動産鑑定を行います。
不動産鑑定企業に勤めることで不動産鑑定士の先輩から仕事のノウハウを教えてもらえることもできます。
不動産鑑定士が活躍している業界 ~金融系企業~
銀行なのの金融系業界でも不動産鑑定士が活躍しています。
融資をするための担保物件の鑑定業務など、不動産を有効活用するための相談業務など不動産鑑定士の高度な知識を活かし活躍できます。
メガバンクなどに需要があります。
不動産鑑定士として独立開業
不動産鑑定企業などで経験を積み、独立開業することも可能です。
公的機関や裁判所、企業や個人から仕事をもらい、独立開業で活躍している不動産鑑定士もいます。
個人の頑張り次第で高収入が得られるチャンスが広がります。
不動産鑑定士を取得し活躍しよう
不動産鑑定士は全国に約8,000人程度しかいません。
3大難関国家資格といわれているぐらい難しい資格ですが、取得するメリットは多く独立開業も目指せる国家資格です。
全国的に不動産鑑定士が不足していると言われている今が狙い目の資格です。
就職にも有利で、独立開業も狙える不動産鑑定士試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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