企業にはさまざまな種類の文書や資料が存在します。
紙媒体での文書の保存はメリットもありますが、コストもかかります。
保管スペースの確保や、紙代や印刷にかかるコスト、膨大な文書や資料がある企業などは文書や資料を移動させるのにもコストがかかります。
必要な文書や資料を探すだけでも、時間的コストがかかります。
これら紙媒体の文書や資料を電子化することでコスト削減にもつながり、業務効率向上にもなります。
しかし、企業内の文書や資料を電子化し効率よく利用するには、各部門に関連する業務の知識や文書に関わる法令などの知識が必要となります。
企業のペーパーレス化に興味のある方や、これからペーパーレス化に取り組む企業の方などはぜひ最後お読み下さい。
文書情報管理士とは?
文書情報管理士とは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(略称:JIIMA)が主催で行われる民間資格です。
文書情報管理士は、主にオフィスで扱う文章や資料、伝票類などの紙媒体をパソコンなどの電子機器で保管・閲覧できるようにスキャナ保存をしたり、長期保管するためにマイクロフィルムを活用するための技術や知識を検定します。
文書情報管理士に必要な知識は、文書の電子化についてはもちろん、各部署ごとの書類の種類や役割、文書保管に関わる法律など、文書に関する幅広い知識を問われる検定です。
文書情報管理士はオフィスのさまざまな文書の電子化や、保管するための技術や法律の知識がある文書管理のプロフェッショナルといえます。
文書情報管理士の検定級
文書情報管理士の検定級には2級、1級、上級の3種類があります。
各級の具体的な能力は以下の通りです。
2級:電子化文書関連、マイクロ写真関連の基礎知識及び実技能力
文書情報マネジメントに関わるハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク関連の基礎知識
文書情報マネジメントに関する日本特有の法令、標準規格の基礎知識
1級:2級の能力に加えその専門知識及び実技応用能力
文書情報マネジメントの作業に従事する作業者に対する指導力
上級:1級の能力に加え以下の能力
顧客の問題点や課題の本質を明確化できる課題分析能力と、システム構築能力
保存性、原本性など文書情報管理の専門的知識および提案能力
高い費用対効果を発揮できるコスト意識及び能力
引用元:公益社団法人日本文書情報マネジメント協会
文書情報管理士検定は、飛び級で受験することはできず、2級から知識を深めながら受験をしていく検定試験です。
文書情報管理士の試験概要と試験日程
文書情報管理士検定は年に2回、夏と冬に実施されています。
CBT方式で実施され、40日の試験期間中に全国のテストセンターで検定試験が受験できるので、忙しい方にも受験がしやすい検定試験です。
次回の試験は、受験申込期間2019年11月20日から1月31日まで、受験期間は2019年12月20日から2月10日までとなっています。
試験概要を下記表にまとめました。
検定級 | 問題数 | 試験時間 | 試験方式 |
2級 | 80問 | 90分 | 択一選択 |
1級 | 80問 | 90分 | 一部多肢選択 |
上級 | 80問 | 90分 | 一部多肢選択 |
同一期間内では、級を問わず1回しか受験ができないので注意が必要です。
文書情報管理士検定の受験料
文書情報管理士検定は一般受験料と団体受験料、学生とそれぞれ受験料が異なります。
受験料は下記表をご覧ください。
一般受験料 | 1,1000円(税込み) |
団体割引受験料 | 8,800円(税込み) |
学割 | 7,150円(税込み) |
受験料は各級共通です。
団体割引は1事業所20名以上から受けれます。
文書情報管理士検定の勉強法
文書情報管理士検定の受験用参考書がJIIMAから出版されています。
公式ホームページやアマゾンでも購入可能です。
東京・大阪では、受験対策セミナーも開かれています。
公式ホームページで過去の検定から抜粋された模擬試験が受けれるので、出題難易度を確認できます。
ペーパーレス化するメリットは?
オフィスのペーパーレス化で得られるメリットは多数あります。
一番のメリットはコスト削減です。
他にも電子化することで、書類の検索性が上がります。
紙の書類ではどこに保管されているかを全て把握することは現実的に不可能です。
書類の紛失や劣化も無くなります。
データの共有も可能で、どこからでもアクセスが可能です。
データを外部に移すことも簡単にできるので、災害時なども有効です。
メリットをまとめると、
- コスト削減になる
- 書類の検索や管理が楽になる
- 紛失や劣化が無くなる
- どこからでもアクセスできる
- データを移すことが容易にできるので災害対策にもなる
などです。
ペーパーレス化するデメリット
ペーパーレス化のメリットは多くありますが、もちろんデメリットもあります。
パソコンやタブレット端末などの画面で見るよりも紙媒体で見たほうが見やすい場合もあります。
他にもセキュリティ対策や書類の破棄などにコストがかかります。
データもバックアップなどを取る必要もあり、もし対策をしていない場合、大事なデータが一瞬で消える場合もあります。
パソコンが苦手な方もいるので、社員教育も必要となります。
デメリットをまとめると、
- 紙媒体のほうが見やすい場合もある
- セキュリティ対策や書類の破棄にコストがかかる
- データを守る対策をしていないと一瞬で消える恐れがある
- 社員教育も必要
などです。
文書情報管理士検定に挑戦しよう
ペーパーレス化することで企業にはさまざまなメリットがありますが、知識がないと大事なデータを失くす恐れもあります。
文書情報管理士検定を受験すると文書のデータ化の正しい方法や、保存・保管方法、法令などの知識が身につきます。
オフィスのペーパーレス化を考えている企業の担当者の方や、就職を控えている学生の方などは、文書情報管理士検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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